これが大事、建設業許可と社会保険未加入

国土交通省は、平成24年から「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」を策定・施行しています。それから3年目の平成27年に現状に則し改訂されました。

今回は、建設業許可と社会保険未加入についてお伝えします。



国土交通省が考える社会保険未加入による2つのマイナス

社会保険未加入問題が建設業において主に2つのマイナスを作り出している。まず、労働者の処遇が低いゆえに建設業に従事したくないと思う若い世代が増え、労働力が減少している原因となっている。

また、適正に労働者法定福利費を負担している優良な企業が受注競争において適正に負担しない企業と比べて損をしている、競争上、不利になっている。現状は決して公正な競争環境ではないと国土交通省は考えているようです。



建設業が加入すべき社会保険についておさらい

社会保険は大きく分けて3つあります。会社が倒産したときや仕事を辞めて失業したときに一定期間の失業手当が給付される雇用保険、少ない割合の自己負担だけで医療機関の診察や治療を受けることができる医療保険、60歳以上になったときに加入期間に応じて毎月年金が給付され、障害を負ったときや亡くなったときには障害年金や遺族年金が給付される年金保険の3つです。

いずれも危険作業が多い建設業においては労働者のために加入しておくべきだと考えます。人材確保と業務の質の向上につながりますので結果的に会社のためになるのです。



社会保険未加入建設業者は不良不適格業者として排除する方向

前出のガイドラインは、元請企業(注文者)が下請企業に対し法定福利費の内訳を明示した見積書提出を求めるように改訂されました。下請企業が再下請に出す場合も同じです。
また、社会保険未加入の建設業者については、次のように言及しています。

まず、公共工事の元請業者から排除するため、定期の競争参加資格審査などで対策を講ずる。次に、元請業者に対し社会保険未加入業者と契約締結することを禁止する。そして、社会保険未加入業者を確認したときは建設業許可行政庁または社会保険担当部局へ通報するなどの措置を講ずる。これにより下請業者も含め排除を図る。

平成29年度以降、すべての下請企業を適切な保険に加入したものに限定した工事を試行的に実施、その取組を拡大、工事の規模などで可能な場合は全作業員を適切な保険に加入したものに限定した工事を試行的に実施するのが望ましい。と…



ガイドラインに明記された以上、建設業許可申請にも注意が必要となります。しっかりとした元請企業は社会保険未加入の建設業者を下請けとして選ぶことはしないでしょう。労働者に危険と隣り合わせの仕事をさせていると経営者として認識をお持ちであれば平成29年を待たずに1日も早く社会保険に加入すべき(させるべき)なのです。







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